2007年9月29日土曜日

「隠されたジェンダー」Kate Bornstein著 筒井真樹子訳 読了

原書は1994年発行。男性として育ち女性体への性転換手術を行うも「自分は男性でも女性でもなかった」と語り、何故どちらかの性であることを強制されるのか?出生時にインターセックス(※)の性までをどちらかに「固定」する権利を持っているのは一体誰だというのか?‥と、二元的なジェンダー文化に異論を唱える。
※半陰陽、両性具有、双成とも言う。典型的な女性または男性の特徴を持たない人。新生児の数千人に一人いるとも言われている。



原題は、Gender Outlaw: On Men, Women, and the Rest of Us.
性の多様性の表現として「女性・男性・その他」の3つに分ければ良いというものでもないだろうが、この副題のわかりやすさ、かっこよさに感銘を受けてしまい、"the Rest" の存在をアピールするkerorou★オリジナルTシャツでも作って売りたい所存であります。

ちなみに巻末に「タチ、ネコ、フェム、ブッチ…」等の用語集もついていて、恥ずかしながらそれらの言葉を知らなかったkerorou★にとってはやさしいクィア入門書となった。


以下、ジェンダーを扱う際に是非ともSMの三原則『安全・正気・同意』を見習うべき(^^;)という下りの引用。

サドマゾヒズム(SM)は、同意に基づいて、性行為における力関係やジェンダーと遊ぶ手段である。… (中略)…
SMについて知っている人は、私たちが実現するものよりはるかに安全で、正気で、同意の上で、ジェンダー・プレイの道を行くことでしょう。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ほやほやの新刊なのに、原書は1994年発行なんですね。13年前ですか…。
僕は、性別はデジタルなものではなく、アナログなものだと思います。
日記、チェックしてたのですが、久しぶりの更新ですね。忙しかったのかな、軍曹(「塾長」みたいだ、などの理由でこの呼び方が気に入らなかったら言って下さい)。
『絡新婦の理』(京極夏彦 講談社文庫)を思い出しました。
http://d.hatena.ne.jp/Backlash/20060610/p1
http://macska.org/article/199

kerorou★ さんのコメント...

紙運転手さん、コメントありがとうございます。

>僕は、性別はデジタルなものではなく、アナログなものだと思います。

再びSM三原則の下りの引用になりますが、私たちが押し付けられるジェンダーについて「虹を黒か白だとと言いくるめるくらい、正気ではないのです」とありました(笑)。良い例えですね。
0と1しかないコンピュータの世界でもその気があればいろんな色を作れるのでkerorou★はデジタルでもアナログでもいいのですが、何にせよ勝手に判断して強制されるのだけは御免であります!


>軍曹

そんな偉いもんじゃなくて二等兵レベルですが、呼び方は何でもOKです★
kerorou★は怠けものなので更新が滞るかもしれませんが、気長に見守っていただけると幸いです。